味の素は21日、米国の液体調味料会社モア・ザン・グルメ・ホールディングス(オハイオ州)を買収すると発表した。米国の子会社を通じてモア・ザン社の株式の50.1%を取得する。同社はステーキソースなど業務用の液体調味料が主力。年3%程度の伸びが続く米国の中食・外食市場を本格的に開拓する。

現地時間の20日に株式取得の契約を結んだ。取得額は38億円。買収手続きは月内に完了する見通し。モア・ザン社は1993年に設立。2018年12月期の連結売上高は26億3000万円。

同社はステーキ用のソースや、肉や野菜などを煮込んだだし汁のブロスといった業務用の液体調味料を主力とする。食の専門家が監修し、消費者の嗜好や食生活に合わせた高価格帯の調味料に強みをもっている。

米国の外食店では調理の際、使いやすさや品質面で液体調味料が好まれる傾向がある。味の素は自社の調味料も組み合わせ、外食店や加工食品メーカーごとにきめ細かい営業を展開し、販路を広げる。味の素によると、米国の中食・外食向けの調味料市場は2兆円規模で、世界の4割を占めるという。
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