東京証券取引所などが26日発表した2018年度の株式分布状況調査によると、19年3月末時点で外国人の株式保有比率(金額ベース)は約29.1%と前年から1.2ポイント低下した。保有比率が低下するのは3年ぶりで、12年度以来の低水準になった。日本企業の業績や企業統治の改善期待を背景に外国人投資家は存在感を増してきたが、頭打ち感が鮮明になっている。

18年度、外国人は日本株を5.6兆円売り越しており、売越額は平成の30年間で最も大きい。米中貿易摩擦や景気への先行き懸念から持ち高を減らす動きが目立った。業種別では33業種中25業種で保有比率が減少している。減少が目立ったのは金属製品(5.5ポイント減)や情報・通信業(3.4ポイント減)で、医薬品(5.9ポイント増)や精密機器(2.3ポイント増)は上昇した。

もっとも、外国人株主は平成の30年で見れば増えており、保有比率は約6倍に拡大した。特にアベノミクスが始まった12年以降、企業の稼ぐ力やコーポレート・ガバナンスコードによる企業の透明性の向上が好感され、保有比率は13年度に30%台の大台に乗せていた。

一方、18年度の個人株主比率は17.2%と0.2ポイント上昇した。増加は3年ぶり。ソフトバンクなど大型上場により個人株主数が増えたほか、少額投資非課税制度(NISA)を通じて個人投資家の裾野が広がった。

2019/6/26 11:26
日本経済新聞
https://www.nikkei.com/article/DGXMZO46583930W9A620C1MM0000/