大阪市は2019年6月24日、6月7日から翌8日にかけて発生した基幹系システムの障害について、原因を特定したと明らかにした。米オラクル(Oracle)のデータベース(DB)ソフト「Oracle Database」のバグが原因だった。

システム障害を起こしたのは基幹系システム「大阪市統合基盤システム」である。2015年1月に運用を開始し、住民票や税務、国民健康保険、福祉、介護保険など市民向けサービスを提供している。

 同システムのOracle Databaseはログイン時の認証に必要なデータや印刷履歴などを管理している。今回の障害により、区役所や出張所などで住民票などの発行ができなくなり、7994件の発行業務に影響が出た。

同システムで2019年6月7日の午後0時5分ごろに発生したシステム障害では、2ノードあるDBサーバーがほぼ同時に停止した。担当者が再起動を試みたが再起動できなかった。

 この原因について大阪市ICT戦略室は「Oracle Databaseには(データを格納するストレージとDBサーバーをつなぐ)通信経路で伝送エラーが生じた際、システムファイルが破損するバグが存在していた」と明かす。システム開発を担当したNTTデータ関西を介して「日本オラクルにバグの存在を確認した」(ICT戦略室)。

 今回のトラブルでは「停止したDBサーバーの再起動」「ハードウエアの交換」「システムファイルの修復」の順で復旧を試みたがいずれも復旧に至らなかった。そこでバックアップファイルからDBそのものを復元する手法に切り替えて、障害発生から約21時間後の6月8日午前9時30分ごろに復旧を完了し、同日午前10時から業務を再開した。

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