20日の東京株式市場で日経平均株価は続伸した。前日比128円99銭(0.60%)高の2万1462円86銭で終え、5月8日以来およそ1カ月ぶりの高値水準となった。米連邦準備理事会(FRB)が19日まで開いた米連邦公開市場委員会(FOMC)後に公表した声明で、景気減速が強まれば利下げに踏み切ると示唆。米株高を受けて投資家心理が強気に傾き、株価指数先物を中心に買いが入った。中国・上海などアジア各国・地域の株価指数が総じて上げたことも相場上昇の追い風となった。

早期の米利下げ観測を追い風に、米シカゴ市場では日本時間20日の時間外取引で米株価指数先物が上昇。米利下げを受け、中国の金融当局も追随するとの思惑から中国・上海総合指数が大幅高となるなど、世界的な金融緩和策への期待で投資家が運用リスクを取る姿勢を強めた。国内外で金利低下が進むなか、不動産など低金利環境の恩恵を受けやすい銘柄への買いが目立った。

日経平均は伸び悩む場面もあった。米長期金利の低下を受けて日米金利差が縮小するとの見方から、外国為替市場では円相場が1ドル=107円台半ばと1月上旬以来の円高・ドル安水準をつけた。採算悪化への警戒から自動車など輸出関連株の一部には売りが出て、相場全体の重荷となった。

日銀は20日まで開いた金融政策決定会合で、現行の大規模緩和の維持を決めたが、現行の政策を据え置くのは想定内だったとして株式相場の反応は限られた。

JPX日経インデックス400は続伸した。終値は前日比44.14ポイント(0.32%)高の1万3899.79だった。東証株価指数(TOPIX)も続伸し、4.63ポイント(0.30%)高の1559.90で終えた。

東証1部の売買代金は概算で1兆7927億円と、2日ぶりに節目の2兆円を下回った。売買高は10億1796万株。東証1部の値上がり銘柄数は1259、値下がりは767、変わらずは118だった。

ファストリやソフトバンクグループ(SBG)など値がさ株が高い。テルモやアドテストが上昇したほか、川崎汽や商船三井など海運株の上げが目立った。一方、トヨタやホンダ、マツダが安い。キーエンスやアルプスアル、ZOZOが下落した。

〔日経QUICKニュース(NQN)〕

2019/6/20 15:23
日本経済新聞
https://www.nikkei.com/article/DGXLASS0ISS16_Q9A620C1000000/