イオンは夏に需要が高まるウナギの代替品としてサケのかば焼きを提案する。サバやナマズといった既存品と合わせて代替品の売り上げを伸ばす。ウナギは世界的に絶滅が危惧されており、資源の確保が課題になっている。環境対策を進めつつ「土用の丑の日」など需要の高まりに対応する。

全国のイオンやマックスバリュなどイオングループの約3000店舗で取り扱う。8日から「鮭(サケ)腹身の蒲焼」(100グラム、429円)を販売する。養殖や加工、流通が適切に管理されていることを示す国際認証「ASC認証」を取得したサケを、ウナギと同じ工程でかば焼きにした。20日からは一口サイズでパック詰めした「骨取り鮭ハラスの蒲焼」も展開する。

イオンは2016年からナマズやサバ、豚といったウナギ以外のかば焼きを代替品として提案してきた。これらの商品も継続して販売し、代替品の売上比率を1割以上に高める。

イオンによると、足元で国産ウナギの仕入れ価格は1割程度上がっている。高価格から若年層の売り上げが伸び悩んでおり、通常の国産品(1尾、2462円)より安価な代替品の投入で客層を広げる狙いもある。商品の拡充で、代替品も含めてウナギ関連の売り上げを5%伸ばす計画だ。

資源保護や安定調達にむけて、トレーサビリティー(生産履歴の追跡)を徹底した商品も強化する。稚魚の産地や生産地まで情報が確認できるインドネシア産(861円)と静岡県産(1922円)のウナギを2種類発売する。イオンは23年までに「ニホンウナギ」と「インドネシアウナギ」について全て完全にトレーサビリティーがなされたものに切り替える方針を示している。

同社の三宅香執行役は都内で開かれた商品発表会で「トレーサビリティーや代替品を強化するなど対応を進め、ウナギの食文化を次世代までつなげていきたい」と話した。
https://www.nikkei.com/article/DGXMZO45609100T00C19A6HE6A00/