2月期決算企業が株主総会シーズンを迎えています。5月29日には、流通大手のイオンが、本社のある千葉市幕張で株主総会を開催。出席した株主数は同日11時30分時点の概算で1953人と、昨年の1903人を上回る株主が来場しました。

株主のためか、得意客のためか
一連の会社からの説明が終わり、株主総会は質疑応答へと移ります。最終的には15人の株主から質問や意見が出ましたが、今回は株主以外も関心がありそうな、イオンの商品やサービスに関するやり取りを抜粋して紹介します。

同社の店舗を頻繁に利用するユーザーにとって関心が高いと思われるのは、「イオンラウンジ」に関するやり取りでしょう。このラウンジはイオンの大型店舗に設置されていて、買い物の合間にフリードリンクや試供品のお菓子を食べながら、休憩できるという施設。常連客に大人気で、休日には30分以上の待ち時間が発生する店舗もあるようです。

今回の株主総会で質問に立った株主は、こうしたラウンジの混雑状況に関して改善策を要望しました。これを受け、イオンラウンジの発案者でもある岡田社長は「30年間で株主数がとんでもなく増え、たくさんの方に利用していただいています。本年中に、株主のためのものか、お得意様のためのものか、どちらかにせざるをえない」と言及しました。

現在、イオンラウンジを利用できるのは、
 (1)イオンカードで年間100万円以上の買い物をした人に発行される「イオンゴールドカード」の保有者
 (2)イオンカードを系列店舗で年間40万円以上利用した人に発行される「イオンラウンジ会員証」の保有者
 (3)イオンの株主に発行される「イオンオーナーズカード」(イオン北海道、イオン九州も個社ごとで発行)
という3種類のカード保有者。1枚のカードで最大4席まで利用できます。岡田社長の説明では、(1)もしくは(2)の該当者か、(3)の該当者か、どちらかにラウンジの利用を限定する方向で検討を進めていることが読み取れます。

株主を対象にした特典という意味では、イオンモバイルで株主を対象に、通話料の割引やデータ通信量の増額といった特典はないのか、という株主からの質問もありました。これに関して、岡崎双一副社長が「今のところ、株主を対象としたサービスは用意していませんが、さらなる利用者拡大に向けた貴重な意見にしたい」と回答しました。
https://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20190529-00010002-moneyplus-bus_all&;p=1