引用回数が多い科学論文の各国の割合を151の分野ごとに比較したところ、アメリカと中国が各分野の1位を独占し、日本は1位となる分野がありませんでした。集計した科学技術振興機構は、日本の研究力が相対的に下がっていると警鐘を鳴らしています。

科学技術振興機構は、引用回数で世界の上位10%に入る質の高い自然科学系の論文について、人工知能やバイオテクノロジー、天文学など151の分野ごとに各国の割合を比較し、順位の推移を分析しました。

その結果、最新の2017年までの3年間平均では、151分野のうち80分野でアメリカが1位でした。
残りの71分野は中国が1位となり、米中が首位を独占しました。

日本は1位の分野がなく、がん研究など2つの分野の3位が最高でした。

日本と中国はともに1997年までの3年間平均では1位の分野はありませんでしたが、中国は20年の間に、機械工学など産業に関わる分野を中心に大きく順位を上げ、日本を引き離す結果となりました。

また5位以内の日本の順位をみても、1997年までの3年間平均では151分野のうち83分野で日本はトップ5に入っていましたが、最新の2017年までの3年間では18分野にまで減りました。

科学技術振興機構の伊藤裕子特任研究員は「予算が突出した米中がトップになるのはある意味当然といえるが、5位以内をみても日本の研究力低下が鮮明になった。深刻に受け止めるべきだ」と警鐘をならしています。
https://www3.nhk.or.jp/news/html/20190512/k10011913021000.html