【シリコンバレー=白石武志】米調査会社IDCは30日、2019年1〜3月期の世界のスマートフォン(スマホ)の出荷台数が前年同期比6.6%減の3億1080万台だったと発表した。市場縮小で上位メーカーの出荷台数が軒並み落ち込む中、中国・華為技術(ファーウェイ)だけが前年実績を上回り、米アップルを抜いて2四半期ぶりに世界シェア2位に浮上した。

IDCによると、世界のスマホ出荷台数が前年実績を下回るのは6四半期連続。中国景気の減速に加え、米国などの先進国でも技術革新の停滞に伴って消費者のスマホの買い替えサイクルが長期化しており、市場全体の落ち込み幅は18年10〜12月(4.9%減)から広がった。

市場全体に逆風が吹き付ける中、幅広い品ぞろえで自国市場に強みを持つファーウェイの出荷台数は50.3%増の5910万台となり、上位4社の中で唯一、前年同期の実績を上回った。1〜3月の世界シェアは前年同期に比べ7.2ポイント上昇し19.0%となり、首位の韓国・サムスン電子(23.1%)に迫った。

3位に転落したアップルの出荷台数は30.2%減の3640万台だった。シェアは4.0ポイント低下し、11.7%に落ち込んだ。アップルは不振が深刻な中国で端末の値下げや下取りサービスを強化しているが、IDCは「消費者に買い替えを促すのに十分ではなかった」と指摘した。

最大手サムスンの出荷台数は8.1%減の7190万台だった。最新モデルの「ギャラクシーS10」シリーズが販売を支えたものの、シェアは前年同期から0.4ポイント低下した。中国やインド市場を中心に低価格機種に強みを持つ4位の中国・小米(シャオミ)は10.2%減の2500万台となり、シェアは8%と0.4ポイント低下した。
2019/5/2 4:58
https://www.nikkei.com/article/DGXMZO44404740S9A500C1000000/