[北京 22日 ロイター] - 中国政府は22日、経済成長や物価変動に基づいて金融政策を予防的に微調整すべきとの見解を示した。中国の習近平国家主席主宰の中央財経委員会が発表した報告書を国営新華社が報じた。

中央財経委員会は「金融政策は引き締め過ぎたり緩和し過ぎたりすべきでない。経済成長や価格変動に基づき、時宜にかなった金融政策を予防的に微調整すべきだ」とした。

ここ2週間で政治局会議と国務院(内閣に相当)、中国人民銀行も同様の考えを示す報告書を発表している。

前週発表された中国の第1・四半期国内総生産(GDP)は、前期から減速するとの予想に反して6.4%増加した。統計を受け、中国政府が追加でどのくらいの景気刺激策を導入するかとの議論が出始めた。

景気が改善し続けた場合、追加刺激策のペースが落ちるとの懸念から週明け22日は中国の株式相場が大幅安となった。

アナリストらは景気が好転したと判断するには時期尚早だと警告する。一方で一部の市場関係者は前週のGDP統計を受け中国の成長見通しを引き上げ、これまでの予想ほど政府が追加刺激を導入しないとの見方を示した。

中央財経委員会の報告書はまた、中国政府が財政政策と、マクロ政策のカウンターシクリカル調整を強化する姿勢を再び示した。同調整は通常、経済への圧力を緩和する対策のことを指す。

中国当局は小規模な企業に対してより低い金利での信用枠を提供し続けるとみられるが、最近銀行融資が急増したことを受け再び不良債権や不動産市場の投機が増えるとの懸念もある。

オーバーシー・チャイニーズ銀行(OCBC)のアナリストらは投資家向けのメモで「報告書から読み取れる重要な点は、さらなる金融緩和の余地は限られているが、近いうちに金融政策が180度転換することはないということだ」と指摘した。

2019年4月23日 / 10:16
ロイター
https://jp.reuters.com/article/us-china-economy-xi-idJPKCN1RZ02Q