【ワシントン=鳳山太成】トランプ米大統領は27日、米グーグルのスンダー・ピチャイ最高経営責任者(CEO)と会談し、「(ピチャイ氏が)『中国軍ではなく米軍に全面的に協力する』と強く述べた」とツイッターで明らかにした。米軍のプロジェクトに距離を置く一方で中国で事業を続けるグーグルに対し、トランプ氏や国防総省幹部が批判を強めていた。

トランプ氏は「『政治の公平性』などグーグルが米国のためにできることについて議論した」とも説明した。同氏や一部の与党・共和党議員は、野党・民主党が強いカリフォルニア州に本社を置くグーグルが「民主党寄りの情報を検索結果の上位に示し、政治的な偏りがあるのではないか」との不満を表していた。

グーグルの広報担当者は「米政府との継続的な協力などについて大統領と生産的な議論を持つことができて喜ばしい」とコメントした。

米政権は先端技術が中国に流れることに警戒を強めている。米軍制服組トップのダンフォード統合参謀本部議長は3月中旬の議会公聴会で、中国に人工知能(AI)の研究拠点を置くグーグルが「中国軍への間接的な恩恵になっている」と批判した。同社は企業の指針に合わないとして米国防総省の一部入札に参加しないなどの措置をとっている。
2019/3/28 6:57
https://www.nikkei.com/article/DGXMZO43008580Y9A320C1000000/