中国ネット通販最大手のアリババ集団はデータ分析を手がけるドイツのスタートアップ企業を約9000万ユーロ(約110億円)で買収した。ロイター通信など複数メディアが報じた。買収先の企業は大量のデータ処理が可能なソフトウエア技術を持つ。アリババはクラウド事業や、動画配信を手がける子会社が膨大なデータを抱えており、こうした事業のデータ処理技術に生かす考えだ。

買収するのはドイツのスタートアップ企業「data Artisans」で、ベルリンに本社を置く。アリババは16年からソフトウエアの開発で同社と協業しており、買収を機に開発を加速するとみられる。

アリババ子会社の「阿里雲(アリクラウド)」は企業向けのデータセンターの貸し出しなどを強化している。膨大なデータを活用して人工知能(AI)技術の開発も進めており、買収した企業の持つノウハウを応用する。同じく傘下の動画配信サービス大手「Youku Tudou(優酷土豆)」でも動画のストリーミング技術の開発に生かすものとみられる。
https://www.nikkei.com/article/DGXMZO39833180Z00C19A1FFE000/