ファンには寂しい未来になるかも。

iPhone XRが発売間もなく値下げされたのは記憶に新しいですね。かなりビックリなニュースでしたが、どうやらここ最近のAppleの傾向を見ると、起こるべくして起きた事だったのかも知れません。タイトルはセンセーショナルですが、Appleのガジェットが好きだからこそあえて一言言いたい、米GizmodoのAdam Clark Estes氏がこれからのAppleの将来を考えます。

妙なことが今年起こりました。

Appleが、発売してまだ数週間のiPhoneをセールにしたんです。まぁ、表立ってのセールではありませんでしたが、振るわない売り上げに、古いiPhoneのトレードイン価格をあげ、iPhone XRを買う際に最大300ドル(約3万3000円)値引きされるようにしたのです。売り上げのスランプは、XRに限ったことではありません。誰も以前ほどiPhoneを買わなくなり、Appleは大慌てで将来の計画を練り直せばならなくなったのです。

じゃあ、現時点で見える将来は?私に言わせれば、腐ってると思います。

果物の名前を冠した会社名に対し、腐ってるというのが簡単すぎるシャレなのは分かっています。でも、過去数カ月のAppleのつまづき具合をみるとそう考えずにはいられないのです。また、Appleの下がり続ける株価のニュースもひっきりなしに見ます。つい先週、Appleの株価はデッドクロスに入りました。これは、50日間の株価移動平均線が、200日間のそれを下回ると言う危険信号です。Google(グーグル)、Facebook(フェイスブック)、Netflix(ネットフリックス)にも同じことが今年起こったため、専門家の中には弱気相場、あるいは不況の前ぶれではないかと考えている人もいます。

かつて大恐慌を乗り切ったApple
以前米国が大規模な不況に見舞われたときは、Appleは今とまったく違う会社でした。スティーブ・ジョブスが初代iPhoneを披露し、社名から「Computer」を捨ててコンシューマ・エレクトロニクス企業、「Apple Inc.」になると発表した時期です。リーマン・ブラザーズが2008年の9月に突如倒産する頃には、Appleは世界3位の携帯メーカーになっており、ジョブスが10億ドル規模になると予言したApp Storeをオープンしました。今年、ユーザーが元日だけで3億ドル(約330億円)をアプリストアで使ったことをAppleが自慢しました。その直前には、アプリストアを利用しているデベロッパー達が2017年だけで265億ドル(約2兆9300億円)の収益をあげたことも発表していました。

Appleはただ単に大恐慌を生き残っただけでなく、その間に企業価値を大きく伸ばし、同時にあらゆる新しいカテゴリーにその触手を伸ばしていたのです。Appleがタブレットを開発すれば、世界で最もポピュラーなタブレットに成長し、腕時計を開発すれば、世界で最も売れているウェアラブルになりました。もちろんその間に大量のiPhoneも販売しましたが、セールスは現在横ばいとなっており、Appleの仕掛ける「The Next Big Thing(次の大きなブーム)」は、ブームでも何でもなさそうなのです。

イノベーションはいったん休憩なの?
iPhoneに次ぐAppleのドル箱ビジネスはサービス事業で、去年だけで370億ドル(約4兆円)を稼ぎました。これはアプリストアとiTunesストア、iCloudプラン、Apple Musicサブスクリプション、Apple Payも含まれ、他にもビデオストリーミングやニュースサブスクリプションサービスもいずれ含まれるようになるでしょう。何しろAppleはすでにテレビ番組製作に10億ドル(約1100億円)を投資し、独自のニュースサービスの為に、デジタルマガジンサブスクリプションサービスのTextureを買収しました。さらに、Appleは雑誌出版企業のCond? Nast(コンデナスト)を買収すると言う噂もあります。その真意は定かではありませんが、Apple Newsを強力なメディアにするため、Cond? Nastの元重役を迎え入れたことは公になっているので、成長プランがあることは間違いありません。しかし、そういった成長の中に新しいハードウェアの存在がないことを残念がる人は少なくありません。
https://www.gizmodo.jp/2018/12/apple_is_rotting.html