中国の通信機器最大手、華為技術(ファーウェイ)の郭平副会長兼輪番会長は27日、2019年の年頭所感を公表した。「極端に不公平な事件は、我々を世界一へ向かわせるだろう」と強調し、12月初旬に幹部がカナダで逮捕された事件などを念頭に社内に奮起を促した。18年の売上高が前年比21%増の1085億ドル(約12兆円)になるとの見通しも明らかにした。

所感では次世代通信規格「5G」向けで1万件以上の基地局を出荷したことや、スマートフォンの出荷台数が18年に初めて2億台を超えたことに触れ、「世界の顧客が我々を認めている」と強調した。「成功の反対は、失敗ではなく凡庸だ」として幹部陣に活躍を促し、効率の高い組織運営を目指す考えを示した。

米中貿易戦争が続くなか、ファーウェイへの向かい風は強まっている。12月1日には創業者の任正非・最高経営責任者(CEO)の娘である孟晩舟・副会長兼最高財務責任者(CFO)が、イランとの不正取引に関わった容疑でカナダで逮捕された。一部の国でファーウェイの通信機器を排除する動きもある。

ファーウェイは郭氏を含め3人が半年ごとに輪番で会長職を務める。
https://www.nikkei.com/article/DGXMZO39457560X21C18A2910M00/