内閣府が7日発表した10月の景気動向指数(CI、2015年=100)速報値は、景気の現状を示す一致指数が前月比2.9ポイント上昇の104.5だった。上昇は2カ月ぶりで、上昇幅は29年7カ月ぶりの大きさだった。「アジア向けのスマホ部品が伸びたことに加え、乗用車や二輪車などに挽回生産の動きが見られたことが大きかったようだ」(内閣府)という。

内閣府は一致指数の動きから機械的に求める景気の基調判断を「足踏みを示している」に据え置いた。一致指数を構成する9系列中、速報段階で算出対象になる7系列のうち6系列が指数のプラスに寄与した。

アジア向けスマホ部品が伸びたことによる鉱工業用生産財出荷指数のプラスが大きく影響した。台風などの災害で9月に工場の稼働停止で落ち込んだ乗用車・二輪車に挽回生産の動きがみられ、耐久消費財出荷指数や生産指数(鉱工業)がプラスになったことも大きかった。

数カ月後の景気を示す先行指数は0.9ポイント上昇の100.5と2カ月ぶりに上昇した。景気の現状に数カ月遅れて動く遅行指数は0.5ポイント低下の103.2だった。

CIは指数を構成する経済指標の動きを統合して算出する。月ごとの景気動向の大きさやテンポを表し、景気の現状を暫定的に示す。

〔日経QUICKニュース(NQN)〕

2018/12/7 15:16
日本経済新聞
https://www.nikkei.com/article/DGXLASFL07HM8_X01C18A2000000/