東京都の小池百合子知事は4日の都議会第4回定例会の所信表明演説で、政府・与党が検討している、都と地方の税財源の偏在是正措置について「東京の稼ぐ力をそぐ」と批判した。2019年度税制改正に向け、国に「広い視野に立った大局的な判断」を改めて求めた。与党税制改正大綱は12月中旬にもまとまる方向で、都は瀬戸際での抵抗を強いられている。

都から地方への再分配の規模を巡り、政府・与党では現在の年間4000億円から1兆円規模に引き上げる方針とされる。都は知事や都議会議員など「オール東京」(知事)の体制で、偏在是正措置への反対姿勢の説明に回っている。演説でも「東京を標的とした税制度の見直しは断じて認められない」と改めて強調した。

知事は演説で、東京は日本経済のけん引役だと指摘。偏在是正措置は「日本全体にとってもマイナスとなる行為だ」としたうえで「東京と日本の成長を止めてはならない」と繰り返した。

さらに「地方税財政制度を抜本的に改革し、地方の権限と財源の拡充を図るべきだ」と述べ、都から地方に財源を移す現在の手法を批判。国から地方への税源移譲と地方分権改革の推進が本筋だと訴えた。

2018/12/4 14:25
日本経済新聞
https://www.nikkei.com/article/DGXMZO38511450U8A201C1000000/