2018年10月11日 18時41分 NHK
https://www3.nhk.or.jp/news/html/20181011/k10011667251000.html?utm_int=news-international_contents_list-items_023


国家安全省の当局者を逮捕、起訴したと発表しました。FBI=連邦捜査局は、全米各地であらゆる企業が中国の産業スパイに狙われていると警告しました。

アメリカの司法当局は10日、記者会見し、オハイオ州にある航空機の関連企業からジェットエンジンに関する企業秘密を盗み出そうとした産業スパイの疑いで、中国国家安全省の当局者の男を逮捕、起訴したと発表しました。

男は、名前や職業を偽って企業の技術者に接触し、中国に招待したうえで、金銭などとひき換えに情報を求めていたということで、ことし4月に旅行先のベルギーで逮捕され、今月、身柄がアメリカに移送されたということです。

中国政府の当局者が産業スパイの罪で起訴され、アメリカの裁判にかけられるのは極めて異例です。

これに関連し、FBI=連邦捜査局のレイ長官は、議会上院の公聴会で証言し、「中国は、アメリカの企業秘密やアイデア、そして技術革新を狙っていて、深刻な脅威だ。全米各地であらゆる企業が中国の産業スパイの脅威にさらされている」と述べ、強く警告しました。

アメリカでは先月にも、中国国家安全省の指示で企業秘密を盗むためのスパイ活動をした疑いで、イリノイ州で中国人の男が逮捕されていて、FBIは、取締りを一段と強化するとしています。

中国外務省「全くのねつ造」
中国外務省の陸慷報道官は11日の記者会見で、「アメリカ側の指摘は全くのねつ造だ」と主張しました。

そのうえで、「アメリカ側が法に基づいて公正に処理し、中国の国民の合法的な権利を守るよう望む」と述べましたが、産業スパイの疑いで逮捕・起訴された中国国家安全省の当局者に関する説明はしませんでした。