ユニー・ファミリーマートホールディングス(HD)がグループ体制の見直しに着手した。総合スーパー(GMS)子会社ユニーの全株について、資本業務提携しているドンキホーテHDのグループに売却する方向で最終調整に入った。ユニー・ファミマはサークルKサンクスの店舗をファミマに切り替える作業を今秋完了する。不振事業の切り離しにメドを付け、コンビニエンスストア事業でセブン−イレブン・ジャパンを追う体制を整える。

10月中旬にも正式決定する。ユニー・ファミマHDは2017年夏にドンキHDと資本業務提携した。ドンキがユニー株の40%を引き受けている。店舗の品数を多くするドンキの手法をユニーに導入した新型業態店舗の効果は大きいと判断しており、近く残り60%も譲渡する方向だ。

 生鮮品の流通などでドンキもユニー・ファミマ側のノウハウを必要としており提携関係は維持する。ユニーがドンキの完全子会社となった後、ユニー・ファミマHDがドンキに20%程度出資する案などを検討しているもようだ。

 ユニー・ファミマHDの親会社である伊藤忠商事は不振が続くGMSからの撤退をかねて模索していた。16年9月以降、ファミリーマートとサークルKサンクスの事業を統合することで、コンビニの店舗は全国で1万7000弱とセブンイレブンに次ぐ規模になっている。ユニーを売却することで、コンビニ事業に経営資源を集中する。

ドンキは昨夏のユニー・ファミマHDとの提携以降、多彩な商品を棚に詰め込む自社の手法をユニーに持ち込み、GMSのうち不振だった6店舗を改装済み。新業態店は18年3〜5月期に客数が前年同期比75%増、売り上げも同2倍に増えている。

 ドンキはユニーを傘下に収め、店舗網を広げて消費者へのブランド浸透を進める。生鮮食料品のノウハウを吸収するなど相乗効果も大きいとみているもようだ。
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