米電気自動車大手、米テスラのイーロン・マスク最高経営責任者(CEO)が、再びツイッターの投稿で物議を醸している。マスク氏は4日、和解合意に達したばかりの米証券取引委員会(SEC)をばかにする内容をツイート。テスラ株の5日の終値は、前日比7%安の261ドルまで急落し、和解合意で取り戻した上昇分を帳消しにした。

 マスク氏は4日、ツイッターで「ショートセラー・エンリッチメント・コミッション(空売りしている投資家たちを裕福にする委員会)は素晴らしい仕事をしている。名前の変更はぴったりだ!」と、米SECをもじってからかうツイートをした。

 マスク氏は8月7日に「1株420ドルで、テスラ社を非上場化することを考えている。資金は確保した」とツイートした直後に株価は急騰。その後、ツイートは不正確ではないかとの見方が市場で広がり、株価が乱高下した。これを受けて、マスク氏は8月下旬に「非上場化」を断念する意向を表明した。

 米SECは9月27日、誤ったツイートで市場を混乱させたとして、マスク氏を証券詐欺の疑いで提訴。マスク氏に対し、制裁金の支払いと上場企業の役員就任禁止を求めた。

 提訴を受けて、テスラ社の株価は先週末に260ドル台まで急落。マスク氏は9月29日、CEOにはとどまるが、会長職は辞任し、2千万ドル(約23億円)の制裁金を払うことを柱とする内容で、SECとの和解に合意した。

 この合意を受けて、テスラ株は今週初め、300ドル台を回復していた。(ワシントン=尾形聡彦)
2018年10月6日08時23分
https://www.asahi.com/articles/ASLB62H50LB6UHBI00L.html