市場調査会社のアイルランドFact.MRによると、eスポーツの市場規模は、2028年末には60億米ドルを超える見通しだ。同社はその要因として、多額のスポンサーシップ、スマートフォンの普及、仮想現実(VR)の導入、eスポーツインフラの向上を挙げている。

この調査では、eスポーツ市場を、デバイスの種類、エンドユーザー、年齢層、収益源、地域の5つに区分して分析している。

 デバイスの種類に関しては、スマートフォンの普及率の上昇、高解像度ディスプレイの開発、インターネットの高速化や回線容量の増加に伴って、タブレットおよびノートパソコンとスマートフォンとの間で互角の戦いが繰り広げられてきたが、デバイスの利便性、人気、購入のしやすさから、2028年末までにスマートフォンがタブレットおよびノートパソコンを上回るとしている。

 同調査は、エンドユーザーをプロプレイヤーと非恒常的観戦者の2つに大きく分類している。非恒常的観戦者の数も上昇しているが、プロのゲーマーを目指す若者が増える中、プロプレイヤーの方が市場で大きな部分を占めるとのことだ。

年齢層に関して見ると、26〜35歳の年齢層による収益への貢献度は高まっており、2018〜2028年の伸び率が年平均24%だと推計している。

 収益源に関しては、さまざまな業界の名だたる企業がeスポーツ大会のスポンサーとして多額の出資を行いつつあることから、スポンサーシップの伸び率が大きく、全体の40%以上を占めるまでになると予測している。

 地域に関して見ると、YouTubeプラットフォームのeスポーツが最も盛んなのは北欧や東欧諸国との報告もあるが、eスポーツを生み出す側としても消費する側としても、世界最大の地域は北米という結果になった。

 調査レポートは、eスポーツ業界がこの5年間で急速に商業化したことに言及し、その理由として、技術の進歩や、eスポーツプラットフォームの使いやすさと接続性が高まったことを挙げている。さらに、先日のアジア大会でeスポーツが公開競技として採用されたことから、今後10年間でeスポーツの商業化がいっそう促されるとしている。
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