Appleと泥沼の法廷闘争を繰り広げているQualcommが、「AppleはQualcommの技術を盗んで、ライバルのIntelに提供した」と訴えています。

AppleとQualcommとの間には、「Qualcommのライセンス料が高すぎる」と主張したAppleがライセンス料の支払いを拒んだことで紛争が起こり、互いに訴え合う泥沼の訴訟合戦が行われています。

もはや修復不能状態のAppleとQualcommですが、Qualcommは一連の訴訟で、新たに「AppleがQualcommから技術を盗み、Intelに供給した」と主張しています。Qualcommによると、「Appleは昔、Qualcommの技術を盗み出しそれを用いてチップセットの第2の供給先を確立することでQualcommとの価格交渉で圧力をかけるために、そして、最終的にはQualcommからIntelに乗り換えるために、Intelを含むQualcomm以外のチップセットのパフォーマンスを改善する計画を立てた。Appleの不正行為は、QualcommとIntelのチップを扱うエンジニアの間では広く知られている」とのこと。

Qualcommによると、10年前にAppleとの間で交わしたチップ供給に関するマスターソフトウェア契約には、AppleはQualcommの技術情報を秘匿する義務があり、それが履行されているかどうかをQualcommが監査できるコンプライアンス条項があったとのこと。AppleがQualcommのライバルであるIntelを「育てる」ためにQualcommの技術をIntelと共有しているのではないかという疑いが生じたため、契約に基づいて監査を求めたにもかかわらず、Appleはこれを拒否したため、調査ができなかったとも主張しています。その上で、実際の損失、機会損失、合理的なロイヤリティの支払や不当利得の返還ならびに懲罰的な損害賠償を、QualcommはAppleに対して求めています。

なお、Ars Technicaに対してAppleの広報担当者は、「Qualcommは何の証拠もなく主張を繰り返している」と述べ、今回提出された裁判資料の中にも、証拠は含まれていないと回答しています。
2018年09月26日 10時30分
https://gigazine.net/news/20180926-apple-give-data-to-intel/