大手半導体メーカー、「東芝メモリ」が岩手県に建設を進める新工場で働く大卒者の採用が募集人員の3割程度にとどまる見通しになっていることがわかりました。東芝メモリは、高卒者の募集人員を増やすなど、生産拠点と位置づける新工場の稼働に向け、採用計画の見直しを迫られています。

「東芝メモリ」は東芝が経営再建の一環でアメリカの投資ファンドなどに事業を売却した大手半導体メーカーで、記憶用半導体、「フラッシュメモリー」の生産拠点と位置づける新工場を岩手県北上市に建設しています。

会社では新工場を来年完成させ、再来年までに生産を軌道に乗せる予定で、これに合わせて来年春に卒業する大学生や高校生など合わせて510人の採用を計画しています。

しかし、このうち、大卒者は、県外に就職を希望する学生も多く企業間の競争が激化していることから、170人の募集人員のうち、3割程度の採用にとどまる見通しになっていることが関係者への取材でわかりました。

このため東芝メモリは、新工場の生産計画への影響を避けるため、今月始まった高卒者の採用で、募集人員を200人から290人へと大幅に増やすなど、採用計画の見直しを迫られています。

東芝メモリの関係者は、今のところ新工場の生産計画に変更はないとしていますが、安定的な稼働に向けて人材の確保が課題となっています。
2018年9月6日 6時01分
https://www3.nhk.or.jp/news/html/20180906/k10011611201000.html