0001田杉山脈 ★
2018/08/12(日) 03:02:48.53ID:CAP_USERFirefoxにAdvanceをインストールすると、ウィンドウの左側のサイドバーに、お勧めのサイトやページが表示されるようになる。このサイドバーは、「Read Next」「For You」という2つのセクションに分かれている。Read Nextセクションには、現在のタブで閲覧している内容にマッチすると判定されたページが表示され、For Youセクションには、ユーザーの閲覧履歴に基づくお勧めのページが表示される。
Mozillaによると、Advanceは、Webブラウジングという行為を完全に実用本位で捉えるのではなく、セレンディピティ（偶然の出会い）を取り戻すという考えが背景にある。Advanceの公開について告知するMozillaの公式ブログ記事では次のように説明している。「Advanceは、Firefoxのルーツに立ち戻り、人々がWebサーフィンを始める糸口となった体験をよみがえらせる。当時、World Wide Webは未踏の地で、新しい話題やアイデアをネット上で自由気ままに見つけられた」
お勧めのサイトやページを提示する処理には、米Googleの元エンジニア3人が立ち上げたスタートアップ、米Laserlikeのテクノロジーを利用している。「興味検索エンジン」とうたうLaserlikeは、ユーザーの閲覧履歴に基づいてお勧めを導き出す。Firefoxは、Advanceの拡張機能をインストールする前に、権限の許可について確認するダイアログボックスを表示し、ブラウザーからLaserlikeのサーバーにデータを送ることをユーザーに明確に認識させている。
プライバシーを重要な売りの1つとしているFirefoxだけに、Advanceでは、当然のように、ユーザーがデータを管理できる機能が用意されている。例えば、データ収集を一時停止したり、Laserlikeに送られたデータをダウンロードして確認したり、そのデータをLaserlikeのシステムから削除するよう要求したりできる。
Firefoxが閲覧のお勧めに関連する機能を搭載するのは、今回が初めてではない。2016年にTest Pilotで公開された「Activity Stream」は、閲覧履歴の中でもよくアクセスしているサイトや最近見た主なページのサムネール、ブックマークを、新しいタブページに表示する機能を備えていた。後にこの機能は、2016年11月に登場した大型アップデート版のFirefox「Quantum」に採用され、Activity Streamはテスト段階から「卒業」となった。
また、同じくQuantumでは、「あとで読む」系のサービス「Pocket」との統合が強化され、新しいタブページにPocketのお勧めのストーリーを表示できるようになった。さらに、今年4月にMozillaは、ここにスポンサー提供のストーリーを取り入れることを発表した。広告という呼び方をしていないが、新聞雑誌で言うPR記事とでも表現すればよいだろうか。
今後は、Advanceで提示する情報に、スポンサー提供のコンテンツや広告を添えるといったことが始まる可能性も、おそらくは考えられる。例えば、購入を検討している商品のページを閲覧している時に、別の商品やもっと低価格の販売サイトの情報をサイドバーに表示するといったものだ（ちなみに、当編集部がAdvanceの試用中にAmazonサイトの商品を閲覧した時には、サイドバーには、「現在のAmazonのお買い得情報ベスト10」「Amazonがスマートホーム商品の大セールを開催中」といった見出しの記事がお勧めとして表示された）。
Mozillaは、実験的機能を提供するプロジェクトを、Test Pilot以外の名前だった時期も含めると2015年から実施してきた。MozillaのFirefoxプロダクト担当バイスプレジデントのNick Nguyen氏は、Test Pilotを発表した2016年5月のブログ記事で、「Test Pilotでは、ユーザーが実験的機能を自ら試して、意見や感想をフィードバックできる」と説明している。現在Test Pilotで公開している実験的機能の一覧は、MozillaのTest Pilotのページで確認できる。
https://tech.nikkeibp.co.jp/it/atcl/idg/14/481709/081000457/
