【シリコンバレー=白石武志】米電気自動車(EV)メーカー、テスラに突如として株式非公開化の観測が持ち上がった。イーロン・マスク最高経営責任者(CEO)のツイッターアカウントに7日、「(1株当たり)420ドルでテスラを非公開化できないか考えている」とのコメントが投稿された。会社としての発表はないものの、7日の米国市場で同社株は一時、前日終値に比べ9%上昇した。

 テスラは1日に発表した2018年4〜6月期決算で、四半期として過去最大となる7億1753万ドル(約800億円)の最終赤字を計上したばかり。新型車「モデル3」の生産は軌道に乗りつつあるものの、金融筋では先行投資による資金繰り不安がささやかれるようになっていた。

 7日のマスク氏のツイッターアカウントには「(株式非公開化のための)資金は確保した」とも書き込まれた。非公開化する場合でもマスク氏が自らの保有株式を売却しないことや、全ての既存投資家にも株式を保有し続ける仕組みを用意するという趣旨のコメントも投稿された。

 一連の投稿による株価急騰を受け、米ナスダックはテスラ株を午後2時8分から売買停止にした。重要情報の開示までの措置としている。
2018/8/8 4:00
https://www.nikkei.com/article/DGXMZO33937340Y8A800C1000000/