2018年08月04日14時44分 時事ドットコム
https://www.jiji.com/jc/article?k=2018080400356&;g=eco

【ニューヨーク時事】米国が液化天然ガス(LNG)の輸出に本腰を入れ始めた。「シェール革命」とも呼ばれる採掘技術の向上で国内のガス産出量が急増。海外に販路を広げることでエネルギー産業の活性化や雇用拡大を狙う。日本でも米国産LNGの輸入が本格化。トランプ政権は、貿易赤字削減に向けた外交交渉の材料としても活用している。

「ドイツはロシアの捕虜だ」。トランプ大統領は7月中旬、北大西洋条約機構(NATO)に関する協議の場で、ロシアからパイプラインで天然ガスを輸入するドイツを痛烈に批判した。エネルギーをロシアに依存することに安全保障上の懸念を示した格好だが、欧州諸国に米国産LNGを売り込みたいとの思惑が透けて見える。
米エネルギー情報局(EIA)によると、米国のLNG輸出量は2014、15年に4億立方メートル前後だったのが、16年に52億立方メートル、17年には200億立方メートルに急増。20年にはマレーシアを抜き、オーストラリア、カタールに次ぐ世界3位の輸出大国になるとみられている。