【ワシントン時事】国際通貨基金(IMF)は16日、世界経済見通しを改定し、2018年の日本の成長率を1.0%と、
4月時点の予測から0.2ポイント引き下げた。世界全体は18、19年ともに3.9%で据え置いたが、
米中の「貿易戦争」など、「下向きリスクが一段と顕著になった」と分析した。
 米国が仕掛けた制裁関税をめぐり、「成長維持には、保護主義的な措置を避け、
貿易拡大を促す協調的な解決策が不可欠だ」と強調。影響が顕在化すれば「20年までに成長率を0.5%程度押し下げる」
(オブストフェルド・チーフエコノミスト)と警告した。

 日本の見通しは1〜3月期のマイナス成長を踏まえて、16年7月以来2年ぶりに下方修正。
個人消費と設備投資の弱さが響いた。
 米国は減税や歳出拡大の効果を見込み、18年(2.9%)、19年(2.7%)ともに据え置いた。
トランプ政権は貿易赤字削減を目指しているものの、底堅い景気が続くことで輸入は増え、
経常赤字の拡大が世界的な不均衡を膨らませるとの懸念を示した。
 ユーロ圏はドイツ、フランスの減速を背景に下方修正、中国は従来予測を維持した。
日本やユーロ圏を念頭に「一部主要国の成長ペースがピークに達したようだ」と指摘。
世界経済の拡大が曲がり角に差し掛かっている可能性に言及した。
 米国の利上げペースが加速すれば、新興国からの資金流出など、
世界的なマネーの動きが急激に変調する恐れがあると改めて注意を促した。(2018/07/16-23:12)

時事ドットコム
https://www.jiji.com/jc/article?k=2018071600758&;g=eco