豪雨によって、新幹線などの鉄道や高速道路が広い範囲で寸断された。西日本を貫く大動脈がマヒしたことで、暮らしや経済活動への影響も広がっている。

山陽新幹線は7日、ほぼ全線にあたる新大阪―小倉駅間で、始発から午後7時ごろまで運転を見合わせた。東京からの列車は、多くが新大阪止まりとなった。新幹線と並行して走る西日本の在来線も運休が相次いだ。

関西と中国地方を結ぶ中国道や山陽道は、広い範囲が通行止めになった。本州と四国を結ぶ高速道路も、ほぼ全線がストップ。土砂崩れが起きている場所もあり全線復旧の見通しは立たず、物流にも影響が出ている。

ヤマト運輸は7日午後3時現在、北陸や近畿、中国、四国地方の広い範囲で、荷物の集配を停止している。東日本などほかの地域からも、被害の出ている地域に向けた荷物の発送ができない状態だ。「現時点では今後の状況は見通せない」(広報)という。
佐川急便も集配不能地域が1府7県に広がっている。福山通運も「輸送網にかなりの障害が出ている」。西日本の広範囲で、荷物が届けられていない。

ローソンは7日、京都や兵庫、広島など1府9県の計53店舗で少なくとも一時営業を取りやめた。通行止めで、弁当やおにぎりなどが工場から店舗に運べない地域もある。セブン&アイ・ホールディングスも、商品の配送に一部遅れが出ているという。
朝日新聞も、7日付朝刊を工場から運ぶトラックが冠水した道路で立ち往生するなどして、京都府と広島、岡山、兵庫各県の販売所に計4万5千部を届けることが出来なかった。

大雨の影響で、北陸から九州にかけて、貨物列車にも運休が多数発生。物流の混乱が続けば、週明けに部品不足で工場が稼働できないなど、幅広い業種の経済活動にさらに大きな影響が出る可能性がある。

2018年7月8日00時02分 朝日新聞デジタル
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