米電気自動車(EV)メーカーのテスラは20日、同社の部外秘で企業秘密に属する情報をハッキングし、製造ラインの写真とともに外部の第三者に送ったとして、元従業員を提訴した。

 テスラはネバダ州のバッテリー工場「ギガファクトリー」に技師として務めていたマーティン・トリップ氏が昇進を拒否された後に妨害行為を始めたと主張している。同日、ネバダ州の連邦地裁に提出された訴状によると、同氏はコンピュータープログラムを書いて機密情報にアクセスし、正体不明の3つの組織に情報を送ったほか、そうした電子的痕跡を隠そうとしたという。

 テスラ側の弁護士はトリップ氏の行動について、「意図的かつ悪意に満ちたもので、テスラの事業に打撃を与えるという意図を持ってなされたことだ」と指摘した。テスラはトリップ氏と同氏の協力者が自社の機密情報を開示・使用するのを禁じるよう判事に求めている。さらに、賠償金と懲罰的損害賠償も要求しているが、金額は明らかにされていない。

 トリップ氏からのコメントは今のところ得られていない。訴状に同氏の弁護士名は記載されていなかった。(ブルームバーグ Dana Hull、Jef Feeley)
2018.6.22 05:00
https://www.sankeibiz.jp/macro/news/180622/mcb1806220500018-n1.htm