37カ国、7.4万人という大掛かりな世界的な調査で、ジャーナリズム業界が置かれている「今」をまとめて、毎年公表されるのがオックスフォード大ロイタージャーナリズム研究所の「Digital News Report 」です。その最新版が出ました。

今年は、Fake newsの拡散舞台として大きな役割を果たし、かつ、デジタル広告をグーグルとともに圧倒的に支配していることなどで米連邦議会やEUなどから批判を浴びているFacebookの今後について多くの設問がなされていますが、それについては田中善一郎さんの「メディアパブ」の最新記事で、詳しく分析されているので、ここでは、日本がらみのその他のトピックについて興味深い点をピックアップしてみます。

この記事で、Facebookとジャーナリズムとの関わりを省略するのは、田中さんの記事が出たこともありますが、日本版Facebookでは、米国版などに比べて、ニュース提供機能が低いことがあります。

なので、ニュースソースとして、Facebookを利用する日本人ユーザーの割合はわずか9%と、この件で調査した27カ国で最低です。

マレーシア(64%)、香港(56%)などアジアの他国が、米国(39%)をはるかに上回っているのと対照的です。見てはいませんが、おそらくは日本版と違って豊富なニュース提供機能が備わっているのでしょう。

では、ネットユーザーは主としてどのような方法でニュースを取得しているのか。<直接ニュースサイトへ行く><ソーシャルメディアから><ニュース集積サイトから><検索で><eメールで><モバイルアラートで>の6分類で、日本はニュース集積サイトで部門でトップでした。あとで触れますが、これはYahooニュースの存在が大きいのでしょう。


では、その日本メディアの信頼度を10点満点で表すとどうか。NHK がトップで、日本経済新聞が全国紙中、最高位になりました。そして驚きは、朝日新聞が全体で11位とベストテンを外れ、産経、毎日より下回り、全国紙の中で最低になってしまったことです。
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新聞トップの日経との差は、わずか0.56に過ぎませんが、朝日新聞関係者にとっては衝撃的な数字かもしれません。レポートには「朝日の安倍首相の支持率低下につながった(今春の)一連の暴露報道は、この結果には反映されていない」とありますが。

それに、この調査はネットユーザーを対象としたものだということに留意する必要があります。紙の新聞大好きだけど、ネットには縁のない、というような年代の方々の意向は反映されていませんから。

ま、そういう年代は段々と少なくなっていくわけですが・・・
http://blogos.com/article/305402/