日本マイクロソフト(MS)は12日、日本企業がサイバー攻撃を受けると、1社当たりの経済損失は平均37億円になるとの調査結果を公表した。内訳は生産性の低下や修復費用といった直接費用が5億円、顧客企業が他社に乗り換えるなど間接費用が14億円、その他の誘発コストで18億円。河野省二チーフ・セキュリティー・オフィサーは「新たなサイバー攻撃が次々出ている。いかにリアルタイムにデータを集められるかが課題になる」と指摘した。

https://www.nikkei.com/content/pic/20180612/96958A9F889DE1E3E4E6E4E5E5E2E3E0E2E4E0E2E3EA8AE0E2E2E2E2-DSXMZO3164675012062018X20001-PB1-1.jpg
日本マイクロソフトの河野省二チーフ・セキュリティー・オフィサー

 情報セキュリティーは対策を複雑にするほどハッカーから攻撃を受けた際、回復に時間がかかる。例えば10段階以下の対策を施している場合は80%が1時間以内、もしくは1日以内で回復する。一方、26〜50段階と対策を手厚くしていると、調べる経路が複雑になり、回復に1日以上を要するケースが過半となる。

 河野氏によると、近年は身代金要求型ウイルス「ランサムウエア」が増加しているほか、人工知能(AI)が顧客の質問に答えるチャットボットを狙った攻撃も増えているという。調査は米フロスト&サリバンと共同で、日本企業の経営トップや最高情報責任者(CIO)を対象に実施した。

2018/6/12 12:53
日本経済新聞
https://www.nikkei.com/article/DGXMZO31646770S8A610C1X20000/