スポーツ用品店「スポーツオーソリティ」が経営不振に直面している。イオン傘下の運営会社が直近の決算で債務超過に転落。発祥の地の米国では運営会社が2年前に破綻。財務体質の改善が急がれる。(東京商工リサーチ特別レポート)

スポーツ用品店「スポーツオーソリティ」を国内で展開するメガスポーツ(東京)は、2018年2月期決算で債務超過に転落した。

メガスポーツが開示した2018年2月期決算によると、売上高は730億5353万円(前期比2.9%増)と新規出店などが寄与し微増だった。

◆ネット通販の台頭で価格が下落

しかし、損益はネット通販の台頭などで価格が下落し総利益率(粗利率)が低下。さらに、販売管理費の増加で営業利益は20億9419万円の赤字(前期は12億4383万円の黒字)を計上。

また、特別損失で店舗閉鎖など効率改善を目的とした減損損失11億5473万円を計上し、当期純損益は43億7325万円の大幅赤字(同8億418万円の黒字)を計上した。

この結果、2018年2月末の純資産は18億6326万円の債務超過に転落した。

スポーツオーソリティは、かつて全米最大級のスポーツ用品店チェーンで、日本ではイオン傘下のメガスポーツが運営し、野球やサッカーなどの競技用品からフィットネスウェアやアウトドア用品も幅広く取扱っている。

メガスポーツ自身は「スポーツを通じて、健康であり続けることをサポートする健康応援企業」(ホームページ)としている。

だが、今年1月には新聞折り込みチラシで不当な表示をしたとして、消費者庁が同社に景品表示法違反で再発防止を求める措置命令を出している。

◆イオンは「しっかり指導していく」と話すが…

6月5日、東京商工リサーチ(TSR)の取材に応じたメガスポーツの担当者は、「(前期の減損実施で)利益率が改善している。既存店の売上を伸ばして財務体質の改善に努めたい」とコメントした。

「スポーツオーソリティ」を巡っては、2016年3月にスポーツ・オーソリティ社(本社米国)が連邦破産法第11章(日本の民事再生法に相当)を申請。

メガスポーツは、イオンが80.06%、スポーツ・オーソリティ社が19.94%の株主構成だったが、スポーツ・オーソリティ社の持ち分をメガスポーツがすべて取得し、現在はイオン100%の子会社になっている。

今後の「スポーツオーソリティ」ブランドについて、メガスポーツの担当者は「継続して使用する。契約で期限はあるが、近々変更するような予定はない」と話している。 

メガスポーツ親会社のイオンの担当者はTSRの取材に対し、「親会社として業績改善に向け、しっかり指導・管理していく」とコメントしている。
2018.6.11 06:45
https://www.sankeibiz.jp/business/news/180610/bsd1806100645004-n1.htm