ケーブルテレビ大手のジュピターテレコム(JCOM)は6日、2019年3月期から4カ年の中期経営計画を発表した。来年秋に動画配信サービスに対応した新型受信機を導入、動画配信大手の米ネットフリックスなどが提供する作品をテレビで見られるようにする。若年層を開拓し、20年代に売上高1兆円超を目指す。

中計では、視聴者を奪い合う関係にある動画配信事業者との連携強化を鮮明にした。来年秋に導入する受信機では、インターネットの接続契約をすればケーブルテレビを視聴するのと同じように動画配信サービスを利用できる。井村公彦社長は「ネットフリックスだけでなく、いろいろな方から声をかけられており(連携を)検討している」と自信をのぞかせる。

スマートフォンやタブレット端末で映像を見られる動画配信サービスは若年層に広がっており、テレビ離れの一因となっている。あえて動画配信サービスと連携を強化することで、大画面テレビで楽しみたい顧客層を開拓する狙いがある。

ただ、ケーブルテレビを経由した動画配信サービスの利用がどこまで広がるかは不透明だ。動画配信サービスを利用できる機器は、ゲーム機など他にもある。サービスと料金のバランスに敏感な若年層を取り込むには課題が残る。

18年3月期の売上高は前期比5.9%増の7300億円。通販事業の拡充や、医療・介護や教育など新規事業の立ち上げなどで、多チャンネル化に依存する収益モデルからの脱却を目指す。
2018.6.7 05:52
https://www.sankeibiz.jp/business/news/180607/bsd1806070500003-n1.htm