シャープの戴正呉社長は6日、日本経済新聞などの取材に応じ、5日に買収を発表した東芝のパソコン事業について「必ず黒字化できる。1〜2年で黒字化して投資を回収したい」と意欲を語った。東芝のPC事業は2017年度に96億円の営業赤字だった。「まず18〜19年度は国内事業の拡大に注力したい」として「ダイナブック」ブランドが強い国内事業のてこ入れで収益改善を進める考えだ。

シャープは40億円を投じて、東芝のPC事業を展開する東芝クライアントソリューション(東京・江東)を10月に買収する。収益の改善について「まだ外から見ている段階だが、シャープと同様の手法を用いれば改善はできる」との自信を見せた。

また事業買収により東芝クライアントソリューションが抱える約400人のIT(情報技術)関連の技術者も獲得できることを利点に挙げた。「シャープの人工知能(AI)や(あらゆるモノがネットにつながる)IoTの部隊との事業面での相乗効果を出すことがパソコン事業以上に重要だ」と話した。
2018/6/6 10:34
https://www.nikkei.com/article/DGXMZO31423590W8A600C1EAF000/