29日午後の米株式市場でダウ工業株30種平均の前週末比の下げ幅が一時500ドルを超えた。
イタリアなど欧州政治の混迷を受け、リスク回避の株売りが膨らんだ。
欧州の金融株が大幅安となり、米市場でも銀行株が下げを主導している。

 イタリアでポピュリズム(大衆迎合主義)政党などが大統領主導の実務者内閣に反発し、
早期の再選挙の要求をした。長期的な政治の混迷による経済停滞が警戒されている。

 欧州株や南欧国債が売られる一方、相対的に安全資産とされる米国債は買われている。
米10年物国債利回りは一時、2.80%を下回る場面があった。
米長期金利低下による利ざや縮小の懸念も
JPモルガン・チェースやゴールドマン・サックスなど金融株の売りにつながっている。

 投資家心理を測る指標とされ、通称「恐怖指数」と呼ばれる米株の変動性指数(VIX)も急上昇している。
一時前週末比40%近く上げ、18を上回った。

日本経済新聞
https://www.nikkei.com/article/DGXLASFL29HQL_Z20C18A5000000/