2011年にまでさかのぼる法廷闘争に、陪審団が評決を下した。サムスンは2010年と2011年に販売した「Android」スマートフォンで5件の特許を侵害した賠償金として、Appleに約5億3900万ドル(約590億円)を支払う必要がある。

 この全員一致の評決は、シリコンバレーの中心にあるサンノゼの米連邦地方裁判所で下された。損害賠償額は、両社が主張した金額のほぼ中央値である。損害賠償額の大半(5億3331万6606ドル)は、Appleの3件の意匠権を侵害したことに対するものだ。残りの532万5050ドルは2件の一般の特許侵害に対するものである。サムスンがこれらの特許を侵害したことは既に認定されていたが、今回の裁判で損害賠償額の一部が決定された。

以前認定された損害賠償額を不服として争っていたサムスンにとって、今回の損害賠償額は敗北である。今回の訴訟は、以前にサムスンが支払った損害賠償額(3億9900万ドル)の見直しを争点としており、5億3900万ドルは大幅な増額である。

 陪審団がこのような評決を下した根拠は不明だが、この高額の損害賠償額は、テクノロジ業界で意匠権の重要性を定着させるのに大きな役割を果たすだろう。意匠権が取り上げるのは製品の表面的な要素だけだが、それが大きな価値を持ち得ることは明白である。シリコンバレーのデザイナーたちにとって、今回の評決は朗報である。Appleの製品群は、製品の成功におけるデザインの役割を高めるのに貢献してきた。だが今回の評決を受けて、特許を取得し保護するリソースを持つ大企業の手に権力が集中する可能性もある。
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