https://jp.reuters.com/article/jal-lcc-idJPKCN1IF0CB
[東京 14日 ロイター] - 日本航空(JAL)(9201.T)は14日、格安航空会社(LCC)を設立すると発表した。新会社は成田国際空港を拠点に欧米、アジアの中長距離線を中心とする国際線を展開し、JALの連結子会社となる予定。成田空港の機能強化が予定される2020年の夏ダイヤでの就航を目指す。新LCCには100億―200億円を投じる計画。

会見した赤坂祐二社長は、顧客の「旅行に対する価値観の多様化」に新LCCで対応するとし、「長年培った経験を活用し、安全で快適な新しいLCCモデルを提供したい」と語った。また、運航サービス開始から「最低でも3年以内で黒字化しないといけない」と述べた。

既存のJAL国際線ではビジネス需要を囲い込み、より高級なサービスを追求し、新LCCでは価格志向の個人旅行客を取り込み、需要喚起を狙う。会見に同席した西尾忠男常務は「一般の方から(JALの)予約はなかなか取れないという声があったり、JALに乗りたいが、値段が高いという方もいる。そういうニーズが潜在的に多い」と語った。

JALは新会社の準備会社を7月に設立。資本金・出資額は今後決めるが、JAL以外からの出資企業も幅広く募る。代表者も新会社設立時に決定する。新会社の名称も未定だが、西尾常務はJALやシンボルの鶴丸マークは付けず、「別ブランドで考えている」と話した。

機材は長距離に適したボーイング787―8型機を当初は2機使用する。座席数は既存路線(約200席)の40―50%増となる300席弱を想定。人材不足が懸念されるパイロットはJALからの出向と「広く良材を募集する」(西尾常務)。

就航先は既存のJAL国際線が就航していない欧米やアジアの中堅都市が候補となる。JAL国際線はビジネス客の利用が多い羽田空港などと欧米主要都市を結ぶ路線に特化し、新LCCは成田空港発着での観光需要開拓などを狙う。

国内線や近距離の国際線については、豪カンタス航空グループ(QAN.AX)と各33%超を共同出資するジェットスター・ジャパンが引き続き担う。20年には東京五輪・パラリンピックが開かれるため、新LCCによる中長距離の国際線開設で日本人だけでなく、訪日外国人客も取り込みたい考えだ。
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