労働組合「日本介護クラフトユニオン」は28日までに、介護現場で利用者やその家族からセクハラを受けた経験があると調査に回答した職員が29%いると発表した。同組合は「認知症の周辺症状などもあり完全な撲滅は難しいが、国、自治体が対策を進め、事業者も利用者らに啓発して現場の職員を守るべきだ」としている。

調査は今月実施。1054人から回答を得た。5月末まで調査を継続する。

セクハラを受けたと答えた人に複数回答で内容を聞いたところ「不必要に個人的な接触を図る」(51%)が最多。「性的冗談を繰り返す」(47%)、「胸や腰などをじっと見る」(26%)が続いた。セクハラを受けた影響で「強いストレスを感じた」とした人が半数以上おり、精神疾患になった人も4%いた。

セクハラが起きる原因(複数回答)については、「(加害者側の)生活歴や性格」「介護従事者の尊厳が低く見られている」「ストレスのはけ口になりやすい」がいずれも60%を超えた。「認知症に伴う周辺症状」は49%だった。

同組合は「自宅を訪れる訪問介護や有料老人ホームなど、他人の目がなく、密室で一対一のところでセクハラが多く起きている」としている。

被害を相談したか聞いたところ、79%が「相談した」と回答。相談後は「変わらない」が47%、「担当を変えてもらった」(26%)が続いた。セクハラを受けたのは女性の32%、男性の12%。

〔共同〕
2018/4/28 11:11
https://www.nikkei.com/article/DGXMZO29979590Y8A420C1000000/