スマートフォンに押され、苦境続きだったカメラ業界が息を吹き返すかもしれない。ミラーレスカメラの好調で、低迷してきたデジタルカメラの年間出荷額が平成29年に5年ぶりに増加に転じたのだ。カメラ不況を吹き飛ばす“神風”の到来となるか。各社ともミラーレスシフトを強め、反転攻勢ののろしを上げた。
http://image.itmedia.co.jp/news/articles/1804/12/yx_camera_01.jpg

3月上旬、横浜市のパシフィコ横浜で開かれたカメラの展示会「CP+(シーピープラス)」。毎年7万人近くのカメラファンが訪れ、各社はこぞって力の入った展示を繰り広げる。このため、その年の業界のトレンドを映し出す鏡といえる。

ミラーレスの新製品「X−H1」を同月発売したばかりの富士フイルムは前年比1.5倍の面積のブースを構え、X−H1を目玉展示に据えた。

3月上旬、横浜市のパシフィコ横浜で開かれたカメラの展示会「CP+(シーピープラス)」。毎年7万人近くのカメラファンが訪れ、各社はこぞって力の入った展示を繰り広げる。このため、その年の業界のトレンドを映し出す鏡といえる。

ミラーレスの新製品「X−H1」を同月発売したばかりの富士フイルムは前年比1.5倍の面積のブースを構え、X−H1を目玉展示に据えた。

そして、一眼レフを手がける理由はもはや存在せず、そればかりか「市場はミラーレスが一眼レフをひっくり返す。(近い将来)ゲームチェンジが間違いなく起きる」と語った。

実際、ミラーレスの動きは力強い。カメラ電子映像機器工業会(CIPA)のまとめでは、一眼レフカメラの出荷台数は24年の約1620万台から29年の約759万台へ右肩下がりで減少する中、ミラーレスは24年から28年まで300万台を維持し、29年は大きく伸びて400万台に乗せた。

背景には、写真共有アプリ「インスタグラム」など会員制交流サイト(SNS)で美しい写真を見せたいという“インスタ映え”を意識するユーザーの増加がありそうだ。スマホに飽き足らないユーザーが一眼レフ並みの画質が得られる上、軽量コンパクトで扱いやすいミラーレスに乗り換えつつある。

デジカメの昨年の総出荷額が約7928億円を記録し、前年実績を実に5年ぶりに上回ったのも、ミラーレスの好調が寄与しているのだ。スマホに市場を荒らされてきたカメラ業界にとってミラーレスはまさに干天の慈雨というべき存在となっている。
以下ソース
2018年04月12日 08時40分
http://www.itmedia.co.jp/news/articles/1804/12/news049.html