【シリコンバレー=中西豊紀】米フェイスブックは4日、英コンサルティング会社によって個人情報が不正に取得されていたユーザー数が最大で8700万人にのぼると発表した。当初は5000万人とされていた。影響受けるユーザーのほとんどが米国内にいる人だという。ユーザー情報の管理を巡る同社への批判の声がさらに強まるのは必至だ。

情報は英ケンブリッジ・アナリティカによって不正に取得された。同社は個人の行動データを人工知能(AI)で分析し、ソーシャル・ネットワーキング・サービス(SNS)を使って選挙時の投票行動に影響を与えるビジネスを運営。2016年の米大統領選ではトランプ陣営に有利になるように「情報戦」をしかけたとされている。

膨大な数の米国人のデータが選挙に悪用されていたとなると、ロシアの選挙介入を調べる米議会もさらに追及を強めそう。同社のザッカーバーグ最高経営責任者(CEO)は11日に米議会が開く公聴会で証人として説明する。今回明らかになった被害数の拡大についても詳しい説明を求められそうだ。
2018/4/5 4:02
https://www.nikkei.com/article/DGXMZO29021840V00C18A4I00000/