米国シカゴの病院に通院する患者が、iPhoneでカルテ(診療録)を閲覧可能になったと報じられています。ラッシュ大学医療センターとシカゴ大学病院を含む39の医療機関がAppleと提携、iOSのアップデートにより実現しました。

iPhoneの「ヘルスケア」アプリでデータの共有が簡単に
iOS11.3によりアップデートされたiPhoneの「ヘルスケア」アプリを使って、米国内の一部の病院に通院する患者は、アレルギー、健康状況、バイタルサイン、受けた予防接種、現在投与されている薬、検査結果などを、自分のiOSデバイスでチェックできるようになりました。

システムが導入されて間もないため、新機能の是非を問うのは早急かもしれませんが、ラッシュ大学医療センターのシニア・ヴァイス・プレジデントで、最高情報責任者のシャフィク・ラブ医師は、「これは非常に革新的だ」と述べています。

医療機関の多くはすでに電子カルテを導入していますが、患者が別の医療機関で診察を受ける場合、病院間での医療データの共有が課題となっていました。つまり別の病院に転院すると、データをデジタルで共有できないため、従来通り「紙」で申し送りする必要があるわけです。

シカゴ大学病院の通院部門の主席医務官のティトゥス・ダニエルズ医師は、「患者が別の医療機関で診察を受けたとき、これまで情報を探すのが難しいときがあったが、iPhoneですべて見られるようになった」と、Appleが導入したシステムの革新性について語りました。

テック企業では、過去にGoogleが病院のためのヘルスケアシステム開発に取り掛かりましたが、システムが拡がらなかったといわれています。

Appleの「ヘルスケア」アプリは、医療分野のゲームチェンジャーになるか、これからが注目です。
2018年3月31日 23時58分
https://iphone-mania.jp/news-207989/