100年以上の歴史を持つアメリカの技術誌「ポピュラーメカニクス」が選ぶその年の最高の自動車「カー・オブ・ザ・イヤー」の2018年に、テスラの「モデル3」が選ばれました。量産体制の構築にあえいでいるモデル3が選ばれた背景には、近い将来に訪れる自動車の大変換を見据えた思いがあるようです。

Best Cars 2018 | The 2018 Popular Mechanics Automotive Excellence Awards
https://www.popularmechanics.com/cars/g19605464/best-cars-2018/

ポピュラーメカニクスは、カー・オブ・ザ・イヤーの他に「セダン・オブ・ザ・イヤー」や「SUV・オブ・ザ・イヤー」「トラック・オブ・ザ・イヤー」「価格以上に楽しめる車」などのカテゴリで合計22台を選んでいます。その中から日本でもなじみのある車を中心にピックアップしてみました。

◆カー・オブ・ザ・イヤー2018「テスラ モデル3」
テスラ モデル3を選んだ理由についてポピュラーメカニクスは意外にも「走って楽しい」という点を挙げています。同誌が試乗したのはベース価格が3万5000ドル(約370万円)の車両に追加バッテリー(9000ドル:約96万円)とシートヒーター付きのプレミアム・インテリア仕様(5000ドル:約53万円)、自動運転機能のオートパイロット(5000ドル:約53万円)、特別塗装(1000ドル:約11万円)などを盛り込んで車両価格がほぼ5万5000ドル(約580万円)にまで膨らんだ豪華仕様だったとのことですが、どうやらその価格に見合うだけの魅力は備わっている模様。
https://i.gzn.jp/img/2018/03/29/popular-mechanics-best-car-2018/01_m.jpg

モーターを後輪側に配置することで、モデル3はベーシック仕様で車体の前後重量配分は47:53と若干のリアヘビーになっています。4人乗りの市販車でこの前後バランスを持つモデルは少なく、その代表格といえるのがポルシェ911。軽いノーズのおかげでハンドリング性能は良好で、かつ271馬力相当のモーターで後輪を力強く駆動することで、気持ち良い走りを楽しめる1台になっているそうです。ちなみに0-60mph加速(0-96km/h加速)はカタログ値で5秒台ですが、実車では4秒台に入るケースもあるとのこと。

また、15インチディスプレイを採用してメーターやスイッチ類を一箇所に集約させたことで、室内デザインに余裕があるのも美点の一つ。人によっては「ハンドルの所にメーターが欲しい」という要望もあるようですが、操作系の集約によりケーブル類を省略して車体の軽量化にも役立っている模様で、次世代の車の在り方が示されていると言えるかも。

一方のマイナス面としては、金属パネルがむき出しのトランクルームなど、コストダウンの影響がちらほら見えるところが気になるとのこと。EVは今後、各メーカーが2020年頃を目安に投入を始めると見られていますが、その先陣を切り、しかも普及価格帯にモデルを投入したテスラの意気込みと先進性を含めての2018カー・オブ・ザ・イヤー受賞ということになっているようです。
https://gigazine.net/news/20180329-popular-mechanics-best-car-2018/