【シリコンバレー=佐藤浩実】米アップルのティム・クック最高経営責任者(CEO)は28日、米フェイスブックのデータ流用問題に関し「我々が顧客を製品だと考えて顧客(の情報)で収益を得ようとすれば、大金を稼げただろう。私たちはそうしないことを選んだ」と話した。米放送局MSNBCと新興メディア、リコードの共同インタビューに答え、フェイスブックの姿勢を批判した。

クック氏は「あなたが(フェイスブックCEOの)マーク・ザッカーバーグ氏だったらどう対処するか」との質問に対し、「私だったらこんな状況には陥らない」と断言。「プライバシーは人権であり、市民の自由だ」と強調した。IT大手のデータ利用などを規制する議論が広がっていることに関して「最良の規制は規制がないこと、自己規制だが、その段階を超えてしまったようだ」と話した。

クック氏はこれまでもフェイスブックなどによる過度なユーザーデータの利用に警鐘を鳴らしていた。アップルは27日にシカゴで開いたiPadや教育機関向けアプリの発表会でも、利用者データの保護を重視する姿勢を強調していた。
2018/3/29 6:36
https://www.nikkei.com/article/DGXMZO28720560Z20C18A3000000/