農林水産省は28日、小売業者が牛乳と乳製品を仕入れるときに、買いたたくのを防ぐための指針をまとめた。賞味期限の短い牛乳や乳製品は小売り側の立場が強く、過度な値引き要求が発生しやすい。特売品などとして売るために、過剰な値引き要求をしないことなどを小売業者に求めた。適正な取引を促し、法令違反を未然に防ぐ。

 牛乳と乳製品は日持ちがせず小売店で特売品になりやすいという。農水省は牛乳・乳製品メーカーを対象に取引実態を調査した結果、法令違反の可能性がある事案を確認。指針では「客寄せのための納品価格の不当な引き下げ」などの例を示し、不公正な取引の防止を促した。

 指針は農水省のホームページなどで公表するほか、業界団体向けにも説明会を開く。農水省は2017年3月にも豆腐と油揚げの適正な取引を促す指針を策定しており、食品分野で指針をつくるのは今回が2例目となる。

2018/3/28 18:11
日本経済新聞
https://www.nikkei.com/article/DGXMZO28688410Y8A320C1EE8000/