福岡市の福岡空港で24日朝、関西国際空港発福岡空港行きのLCCピーチ・アビエーション151便が着陸した際に前輪のタイヤがパンクして動けなくなり、滑走路が約2時間半にわたり閉鎖された。

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 ダイヤの過密ぶりが全国有数の福岡空港の限界が改めて浮き彫りになった。特に今回は朝のラッシュ時に滑走路が閉鎖され、混乱が拡大した。滑走路は2025年に増設される見通しだが、それまでの間はトラブル発生時には滑走路閉鎖を余儀なくされ、綱渡りの運用が続く。

 国土交通省によると、福岡空港の17年の発着回数は過去最高の17.8万回に達し、滑走路が1本の空港では旅客数・発着回数ともに全国1位だった。朝夕のピーク時には遅延が頻発しており、国交省は16年に「混雑空港」に指定。1時間当たりの発着を最大35回に制限した。

 福岡県などは近隣の北九州空港などへの分散も検討しているが、滑走路増設までは混雑解消の決定打がないのが実情だ。国交省福岡空港事務所の担当者は「制限枠ぎりぎりまでダイヤが張り付いている現実を改めて突きつけられた」と危機感を募らせる。

 元日本航空機長で、航空評論家の小林宏之さんは「便数の多い福岡空港でトラブルがあれば、全国のたくさんの空港が影響を受ける。滑走路再開までに2時間半もかかったのは遅すぎる」と指摘。「滑走路1本の福岡空港では今後もトラブルによる閉鎖はありうる。空港や航空会社が協力し、できるだけ早く滑走路を再開させる危機管理対策を準備しておくべきだ」と注文を付けた。
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