金融庁の有識者会議は13日、コーポレートガバナンス・コード(企業統治指針)の改定案をまとめた。海外投資家などから批判が多かった政策保有株を縮減させる方針を明記。不十分とされていた経営トップの選任や解任を巡る手続きの明確化などを求める。

 有識者からなる「スチュワードシップ・コード及びコーポレートガバナンス・コードのフォローアップ会議」で改定案をおおむね承認した。パブリックコメント(意見公募)を経て、東京証券取引所が導入する予定だ。指針に強制力はないものの、従わない場合には理由を明らかにする必要がある。

 改定案では企業が互いに株を持ち合う政策保有株に関し「縮減に関する方針・考え方などを開示すべきだ」と明記。保有を続ける場合には、保有目的やリスクなどを適切に精査したうえで開示を求める。

 経営トップである最高経営責任者(CEO)の後継者育成から選任、解任については、客観的で透明性のある手続きの確立を求め、指名委員会の設置・活用も促す。

 取締役会のあり方を巡っては「ジェンダーや国際性の面を含む多様性」と盛り込み、女性取締役の起用などを後押しする。ただ、現行の指針で「2人以上」としている社外取締役を「3分の1以上」とすることは見送った。

 公的年金でスチュワードシップ・コード(機関投資家の行動規範)の受け入れが進む中、動きの遅い企業年金に対しても専門の人材採用や配置といった取り組みや開示を求めることを盛り込み、行動規範の受け入れを促す。〔日経QUICKニュース(NQN)〕

2018/3/13 12:02
日本経済新聞
https://www.nikkei.com/article/DGXLASFL13HG8_T10C18A3000000/