米アマゾン・ドット・コムやLINEが人工知能(AI)スピーカーで本を読み上げる機能を相次ぎ導入した。アマゾンは自社の通販サイトで購入した電子書籍を音声で読み上げ、LINEは50作品の童話を朗読する。視覚障害者や子育て世帯などが便利に使える機能を充実させ、AIスピーカーの利用者の裾野を広げる。

 アマゾンは22日、電子書籍をAIスピーカー「エコー」で読み上げるサービスを日本で始めた。前回中断した部分から再開でき、「20分後に朗読を止める」などのタイマー機能も設ける。音声で文章を読み上げるため、視覚に障害を持つ人などの需要を見込む。

 通販サイトで購入した電子書籍のほか、有料の「プライム会員」が自由に読める電子書籍や、電子書籍端末「キンドル」向けの読み放題サービスで取り扱う書籍も対象となる。マンガや写真集などは対応していない。

 LINEはAIスピーカー「クローバ」で、「ももたろう」や「シンデレラ」など国内外の童話50作品を無料で読み上げる。子育て中の母親が家事をしている間に、AIスピーカーを使って童話を子どもに読み聞かせるなどの使い方を想定する。ランダムに作品を選んで朗読させるなどの使い方もできる。今後は作品数を拡充する考えだ。
https://www.nikkei.com/article/DGXMZO27256740S8A220C1TI1000/