外食大手の日本マクドナルドホールディングスは、去年1年間の決算で最終的な利益が240億円と過去最高になりました。低価格路線の見直しや店舗の改装などを進めた結果、品質問題の影響で大幅な赤字に陥ってから2年で業績を急回復させました。
発表によりますと、日本マクドナルドホールディングスのグループ全体の去年1年間の決算は、売り上げが2536億円と前の年と比べて11.9%増え、最終的な利益は前の年のおよそ4.5倍となる240億円で、平成13年に株式を上場して以来、最高となりました。

日本マクドナルドは、商品の品質管理をめぐる問題で売り上げが落ち込み、平成27年には最終的な損益で349億円の大幅な赤字に陥りましたが、それから2年で業績を急回復させた形です。

会社では、品質管理に関する情報を積極的に発信して信頼回復に取り組んだことや、店舗の改装を進めたこと、それに、低価格路線を見直し、メニューを刷新したことなどが売り上げの回復につながったと説明しています。

サラ・カサノバ社長は記者会見で、「この2年間はとても長かったが、困難な時期から脱却することができて成長の段階に入った。配達サービスの強化など未来型の店舗の展開を進めていきたい」と話していました。

日本マクドナルドでは、ことし1年間の業績見通しでも売り上げの増加を見込んでいて、一連の問題から控えてきた新規の出店を本格的に再開するとしています。
低価格路線を大幅見直し
日本マクドナルドホールディングスが、商品の品質についての一連の問題の影響で大幅な赤字に陥ってからわずか2年で業績を回復させたのは、「100円バーガー」に象徴されるデフレ時代に対応した低価格路線を大幅に見直したことなどによるものです。

まず、一連の品質問題を受けて客離れが進んだことを受けて、食の安全性に関する情報発信を強化しました。商品のパッケージにQRコードを印刷し、スマートフォンで食材の原産地や加工された工場などを確認できるようにしたほか、消費者に農場や加工工場を見学してもらう取り組みなども行いました。

また、採算の低い店舗の閉鎖を進める一方、残す店舗については年に500店の早いペースで改装を進めて、ビジネス街ではカウンター席を増やしたり、住宅街では子どもたちが使える遊具などを充実させたりして、立地条件や客層に合わせた店づくりに変えていきました。利用者からの指摘をもとに店の清掃も強化し、清潔なイメージ作りにも取り組んだとしています。

さらに、メニューについては、「100円バーガー」など低価格のイメージからの脱却を図り、従来よりも厚みを増した肉や柔らかいパンなどを使い、ハンバーガーの主力商品の価格帯を300円台に引き上げました。

こうした取り組みの結果、全体の売り上げが平成27年12月以降、26か月連続で前の年の同じ月を上回る状態が続いています。

新規出店を除く既存の店舗で見ても、去年1年間の客数は前の年と比べておよそ9%の増加、客1人当たりの購入金額も3%増加していて、業績の押し上げにつながっています。
https://www3.nhk.or.jp/news/html/20180213/k10011327531000.html