韓国の現代自動車は5日、新型燃料電池車(FCV)「NEXO」(ネクソ)を3月、韓国で発売すると発表した。同日はネクソに自動運転技術を搭載した試作車でソウル近郊から五輪開催地の平昌まで走行するデモンストレーションを公開。次世代車の開発で先行するトヨタ自動車など世界大手に対抗する。

自動運転走行はソウル近郊から平昌まで約250キロメートルを「レベル4」で走行したとしている。レベル4は特定の場所や一定の速度などの条件下で人が運転に関与せず、自律的に目的地まで走行する。カトリック大の金基燦(キム・ギチャン)教授は「外部の技術を使っており、実用にはコストダウンが課題」という。

 3月に発売するネクソの価格は約6000万ウォン(約600万円)前後の見通し。韓国政府からのエコカー補助金を受けた実質的な価格は3000万ウォン台と、中型SUV並みに抑える方針。販売車種には車線維持や自動駐車など「レベル2」の自動運転技術を搭載する。

 1回の水素充填での航続距離を従来車種より40%伸ばした。航続距離は北米基準で609キロメートル。水素タンクの貯蔵密度を高め、従来車種の415キロメートルから大幅に向上させた。新車投入に合わせ整備網も強化。2022年までにFCVの累積販売台数1万台をめざす。
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