常陽銀行系シンクタンクの常陽地域研究センターは17日、2018年4月入社予定の新卒採用に関する調査結果を発表した。茨城県内で新卒採用を予定する企業のうち5割近くで採用者数が計画を下回った。人手不足感が強まるなか、人材確保に向けた競争が一段と激しくなっているようだ。

 新卒採用計画があると答えたのは全体の46.0%。このうち47.1%が「採用計画数を下回った」と回答した。「計画数通り採用した」は35.7%で「計画数より多く採用した」は10.2%にとどまった。

 計画を下回った企業を業種別にみると、非製造業が52.8%で製造業の39.7%よりも多かった。建設業や運輸・倉庫業からは「ドライバーや技術者等技能者の応募が少ない」「業界のイメージアップが課題」といった声があったという。

 計画を下回った企業では中途やパート・アルバイトの採用などで人材不足を補うと回答した。同センターは「景気回復にともなって大手企業などが採用数を増やしている」ことが新卒採用での苦戦につながっていると分析している。

 調査は17年12月、同センターが県内の製造業142社、非製造業192社を対象に実施した。
https://www.nikkei.com/article/DGXMZO25808790X10C18A1L60000/