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2018年1月10日 / 10:58 / 7時間前更新
[東京 10日 ロイター] - 金融市場が日銀の動きに神経質になっている。前日、超長期国債の買い入れオペが減額された「余韻」が残り、10日の市場では円高・株安・債券安が進行。円ショート巻き戻しなどポジション調整の後付け的理由に使われただけとの見方もあるが、日銀の政策修正に対し、敏感になっている今のマーケットの様相をありありと示した反応となっている。

<ポジション調整の「口実」か>

単なる「口実」に使われた可能性は大きい。日銀のオペ減額と、市場が動き出したタイミングには時間差があった。日銀がオペ減額を公表したのは9日の午前10時10分。ドル/円JPY=EBSが円高方向に大きく動き出したのは同28分からだ。

岡三オンライン証券・投資戦略部部長、武部力也氏は「短期筋の膨らんだドルロング(円ショート)ポジションの大きめの巻き戻しが入って、その後付け的な理由として日銀オペ減額が使われたのではないか」とみる。

実際、日銀のオペ減額は今に始まったことではない。2016年9月にイールドカーブ・コントロール(YCC)政策が採用され、長期国債の年間増加額目標80兆円は「めど」に修正された。その後、何度となくオペは減額され、今のペースは年50─60兆円となっている。

さらに4月からは来年度の国債発行計画に基づいて、超長期国債の発行が減額される。日銀が同じペースで買い続ければ、需給が締まり、金利は低下する可能性がある。市場では、日銀はいずれ超長期債の購入額を減らすのではないかとみられていた。

9日にオペ減額が実施されたのはややサプライズだったが、オペ減額自体は「既定路線」で「操作目標を淡々と量から金利に変更していく一環」(大和証券・チーフマーケットエコノミストの岩下真理氏)と受け止められている。これが金融政策の修正や変更の前触れとみる声は、現時点では少ない。
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(伊賀大記 編集:田巻一彦)