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2017年12月31日 / 15:57 / 3時間前更新
Gail MarksJarvis

[シカゴ 6日 ロイター] - ほとんどの大学4年生が卒業後に良い仕事が得られるといまだ期待を寄せるなか、ケルシー・バーグさん(21)はすでに就職先を決めている。

この春に卒業後、バーグさんはニューヨークにある米コンサルティング大手アクセンチュアでコンサルタントとして働くことが決まっている。このような誰もが望む就職先を手に入れられたのは、日本に1学期間留学したことが、他の学生との競争において有利に働いたおかげだと、バーグさんは考えている。

文化的理解や語学力を高めることで就職活動における競争力をつけようと、留学する学生が世界中で急増しており、ミネソタ大学でコンピューターサイエンスを専攻するバーグさんもその1人だ。

HSBCが6日発表した調査によると、留学への関心は米学生のあいだで急速に高まっている。今年、米国では親の43%が子どもを海外の大学に留学させることを検討していると回答。前年はわずか29%だった。

米国際教育研究所(IIE)によると、数十万人の学生が大学時代のある時期に短期留学している。ただし、外国の大学に入学する学生は5万人に満たないという。

また、世界各地で親8000人を対象に実施したHSBCの同調査では、世界的に見ても、42%の親が子どもを海外留学させることを検討していると回答し、前年の35%から増加した。

<プログラムの選択>

大半の米学生は、複雑な外国の手続きに苦労するよりも、自身が通う大学が提供する留学プログラムを選択している。大学によっては、余分なコストがかからない場合もある。2週間から1学期間にわたるプログラムでは、大抵は住居費も含まれている。

費用はプログラムや国によって大きく異なる。

IIEによると、学費、住居費、食費、交通費を含む1学期間の留学費用は、ほぼ無料の場合もあれば、最高で2万5000ドル(約280万円)と幅広い。留学生の多くは週末に仲間と近隣の国や都市に旅行に行くなど、認識できない費用もある。

バーグさんの場合、日本への1学期間の留学費用は、通常の学費プラス約7000ドルだった。

ニューヨークのファイナンシャルプランナー、ジェフ・バーンバウムさんは、息子の日本留学プログラムでかかる予想外のコストに驚いている。息子が通うグリネル大学が提供するプログラムはほぼ全てのコストをカバーし、奨学金も提供しているが、バーンバウムさんは、食費と留学先の学生寮から大学まで通学時間30分の高い通学費を支払っている。その総額は約2500ドルに上る。

ニュージャージー州レッドバンクのファイナンシャルアドバイザー、トーマス・ヨークさんは、娘をスペインに語学留学に行かせたが、金銭面で大失敗をしてしまった。まず娘がアパート探しをするあいだ、ホテルに9日間滞在しなくてはならなかった。そして、アパートの手付金500ユーロ(約6万7000円)をATMから引き出そうとしたが、限度額を上回っていたため引き出すことができず、家族は送金しなくてはならなくなり、手数料が発生した。

「計画を立てるとき、とても慎重にやらなければならない」とヨークさんは語る。
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